リヴァーサルに関するつぶやき

一枚目の写真の光景をカラー・リヴァーサルのなかに、ルーペごしにライト・テーブルで僕は確認する。確かに僕が撮った光景だ。

ー『ホームタウン東京』より「エトランゼとなる午後」片岡義男
https://kataokayoshio.com/contents/8684

たくさん撮りためたカラー・リヴァーサルをライト・テーブルの上で観察し、つまらないものを次々に塵箱に捨てていく作業を、僕はときどきおこなう。捨てずに残ったものをファイルに入れていく。

ー「東京22章　板・トタン・すだれの美」片岡義男
https://kataokayoshio.com/contents/8605

ふと見るとそこに青い色のあった町は、どこだったか。どことひと言では言いがたいあちこちが、カラー・リヴァーサルのワンフレームごとという断片で、いわく言いがたくおたがいにつながり合い、…（続く→）

ー「東京縦画面10　青い色のある町はどこだったか」片岡義男
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撮るときには必ず、一度だけにせよ、そしてほんの一瞬にせよ、被写体となる光景を僕は見ているのだから、何冊ものバインダーのなかにあるカラー・リヴァーサルのフレームは、僕の頭のなかにあるべき記憶だろう。

ー「東京縦画面10　青い色のある町はどこだったか」片岡義男
https://kataokayoshio.com/contents/8460

合計するとかなりの数になるはずだ。僕の延長となった写真機が、カラー・リヴァーサルの乳剤膜に残した、東京の記憶だ。

ー「東京縦画面10　青い色のある町はどこだったか」片岡義男
https://kataokayoshio.com/contents/8460

現像したフジ・クロームをライト・テーブルで観察する段階になると、カラー・リヴァーサルのフレームのなかにとらえられたどの景色に対しても、僕はきわめて冷静で客観的な人となっている。

ー「東京縦画面９　中央集権国家の営みを観察する」片岡義男
https://kataokayoshio.com/contents/8459

そしてそれらを点検しながら選んでいくとき、カラー・リヴァーサルの駒は、センサーの中をさらにもう一度は通過している。だからここにある六点の景色は、撮影者である僕が相当に強く反応した景色なのだとひとまず断定していい。

「おまえの居場所はここにはないよ」片岡義男
https://kataokayoshio.com/contents/8455

撮りためたカラー・リヴァーサルを直感的に点検していくと、僕がなにを探し求めているのか、わかってくるのではないか。

ー「東京縦画面4　僕はなにかを探しているのだろうか」片岡義男
https://kataokayoshio.com/contents/8454

35ミリのカラー・リヴァーサルのワン・フレームにとらえられたこの景色は、克明さと精緻さをきわめた二次元のミニアチュアだ。

ー「横置きの東京　神保町とどめの絶景」片岡義男
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