日本ダービーに向けて、今回は想定上位人気馬5頭を軽くチェックしていきます。
まずは皐月賞馬エフフォーリア。前走の皐月賞では、2着馬に3馬身差つける快勝。この勝ちっぷりから、日本ダービー当日は、1倍台の単勝オッズも予想されますが、2000年以降、単勝1倍台に支持された馬は5頭いて、(3-0-0-2)と勝率・連対率・複勝率は60%。馬券に絡むか絡まないかハッキリしています。
ちなみにその5頭は、ディープインパクト(2005年、1.1倍・1着)、フサイチホウオー(2007年、1.6倍、7着)、ドゥラメンテ(2015年、1.9倍、1着)、サートゥルナーリア(2019年、1.6倍、4着)、コントレイル(2020年、1.4倍・1着)。単勝2倍台まで範囲を広げると該当馬は14頭、(6-1-1-6)、複勝率は57.1%と、単勝1~2倍台の人気馬ですら、10回に4回は馬券になっていないことが分かります。
もちろんこの中には前走負けているのに人気になった馬や、有力馬と戦っていないのに前走のトライアルの勝ちっぷりから人気になった馬なども含んでいますので、前走皐月賞を勝っているという条件で絞ると(4-1-1-2)と、複勝率75%とアップします。ただそれでも勝率50%ですので、盤石の1着候補というほどではありません。
ただ人気馬が負けるパターンで多いのが、末脚に自信がある馬が差して届かないパターン。最終コーナーを10番手以降で回ってきた人気馬に多いのですが、エフフォーリアは前走皐月賞では4番手、前々走共同通信杯で3番手と前目につけることが多いので、今回の日本ダービーで差して届かないパターンは考えにくいでしょう。
唯一の不安材料は、鞍上の横山武史騎手が、圧倒的な1番人気での日本ダービーという、おそらく騎手にとっては最もプレッシャーがかかる舞台で平常心で挑めるかどうか、だと思います。
続いて、牝馬のサトノレイナス。勝利すれば2007年のウオッカ以来、戦後2頭目となる牝馬の日本ダービー馬となります。
しかしながら、サトノレイナスは阪神ジュベナイルFと桜花賞で2着と実績はあるものの、一線級の牡馬とは戦っていないのでその実力は未知数。ウオッカは日本ダービーを制しましたが、正直このときはメンバーが小粒だったことは否めません。鞍上がルメール騎手ということもあり人気しそうですが、今回はエフフォーリアという強敵を退けて勝利できるでしょうか。
今回は、エフフォーリア1強と目されているので、他馬の人気は多分に流動的です。レース直前まで3、4番人気以降のオッズはコロコロ変動しそうです。
毎日杯を制したシャフリヤールは、皐月賞をパスして日本ダービーに挑戦してきました。毎日杯をレコードで勝ったのでそこそこ人気になりそうですが、2着馬グレートマジシャンは同タイム、3着馬は0.3秒差と、シャフリヤールの実力というよりも、あくまでも高速馬場とハイペースによってレコードタイムが出たと考えた方が良さそうです。
また騎手が乗り代わりなのも気になるところ。乗り代わりで日本ダービーを勝った例は1985年以降出ていませんので(2、3着はある)、頭から狙うのは危険な気がします。
皐月賞7着のディープモンスターも上位人気になりそうですが、こちらも乗り代わりです。今回鞍上は武豊騎手ですが、前走の皐月賞のみ戸崎騎手でそれまでは武豊騎手鞍上でしたので、乗り代わりというよりもお手馬が戻ってきた、と言った方が正確かもしれません。
どちらにしろ乗り代わりは乗り代わりなので、頭で狙うのはどうでしょうか。また皐月賞を6着以下に敗れていてダービーでリベンジを果たした馬も、2009年ロジユニヴァースのようにいるにはいますが、どの馬も重賞実績がありました。ディープモンスターはリステッド競争勝ちだけなのでその点では見劣りします。
青葉賞を勝ったワンダフルタウンも人気になりそうです。青葉賞馬は2着止まりですのでそのジンクスを破れるでしょうか。近10年で青葉賞馬で日本ダービーで2着に来たのは、フェノーメノ(父ステイゴールド)とウインバリアシオン(父ハーツクライ)で、どちらの父馬も短距離よりも長距離が向くタイプ。ワンダフルタウンの父はルーラーシップで、こちらも長距離適性がありますので、おそらく大丈夫ではないでしょうか。
皐月賞2着馬のタイトルホルダーも上位人気馬になりそう。というか弥生賞勝ち馬、皐月賞2着馬とくれば人気になりそうなものですが、好走しても人気にならない不思議な馬です。
しかし今まで人気よりも着順が上回っているので、人気の盲点になっているのであれば、狙ってみるるのも面白そうです。