日本ダービーは、福永騎手鞍上のシャフリヤールが勝ち、史上3人目のダービー連覇を成し遂げました。と同時に偉大な別の記録を打ち立てました。
それは、1985年のシリウスシンボリ以来36年ぶりの乗り替わり勝利。30年以上乗り替わり馬で日本ダービーは勝てないと言われていましたので、昨年の無敗での日本ダービー勝利に続き、新たな金字塔を打ち立てました。
日本ダービーと言えば、全てのホースマンが憧れるレースで、レースの格は日本のレースの中で最高峰と言えるでしょう。日本ダービーを勝った馬は全て種牡馬となっていることからも分かります。
日本一格の高い日本ダービーは、騎手乗り替わり勝利が少ない、ということは、逆説的に言えば、乗り替わり騎手の勝利数が少ないほど、レースの格が高いのではないでしょうか。というわけで、1986年以降のGIレースで集計してみました。
順位 | レース名 | 乗替馬勝率 | 該当数/全勝馬数 |
1 | 日本ダービー | 2.8% | 1/36 |
2 | 菊花賞 | 8.6% | 3/35 |
3 | オークス | 16.2% | 6/37 |
4 | 有馬記念 | 17.1% | 6/35 |
5 | フェブラリーS | 20.0% | 5/25 |
というわけで、乗り替わり勝利数が一番少ないGIは、先に述べた通り日本ダービー、続いて少ないのは、クラシック3冠最後を飾る菊花賞でした。過去35年で乗り替わり勝利は3頭だけです。日本ダービーほどでないにしろ、乗り替わり勝利が極端に少ないレースと言えるでしょう。
「強い馬」が勝つといわれる菊花賞ですが、長丁場を制するには馬と騎手とのコンビネーションが必要となってくるのでしょうか。ちなみに乗り替わりで勝った3頭は、フィエールマン(2018、ルメール←石橋脩、7番人気)、デルタブルース(2004年、岩田康誠←岡部幸雄、8番人気)、マンハッタンカフェ(2001年、蛯名正義←二本柳壮、6番人気)です。
3位はオークス。過去36年(同着1位がいるので勝ち馬は37頭)で乗り替わり勝利は6頭。この中には、ジェンティルドンナ、シーザリオ、エアグルーヴといった名牝も含まれています。騎手の乗り替わりくらいでは揺るがないほど、能力が抜けていたのでしょう。
4位は有馬記念。過去35年で乗り替わり勝利は6頭。ジェンティルドンナ、オルフェーヴル、ヴィクトワールピサ、メジロパーマー、オグリキャップ(2回)。どの馬もGIを複数回勝っている名馬揃いですが、逆に言えばそれくらいの実績馬でないと乗り替わりで勝つことはできないと言えます。
5位は、フェブラリーS。過去25年で乗り替わり勝利は5頭。フェブラリーSが行われる時期は、他に大きなレースもなく、また裏開催でトライアルが実施されることもないため、トップジョッキーが参戦しやすい状況にあります。おのずと有力馬からの乗り替わりは少なくなり、結果として乗り替わり勝利が少ないということになるのかもしれません。
最後に、ワーストの2レースを発表して締めたいと思います。その2レースは・・・
順位 | レース名 | 乗替馬勝率 | 該当数/全勝馬数 |
21 | 安田記念 | 31.4% | 11/35 |
21 | 天皇賞(秋) | 31.4% | 11/35 |
というわけで、乗り替わり勝利が多かったのは、「安田記念」と「天皇賞・秋」でした。特に、天皇賞・秋は過去10年(2011~2020年)で5回、乗り替わり馬が勝っていて、乗り替わりがそれほど不利に働かないレースとなっています。
個人的に、かなり意外な結果になりましたが、皆さんの感想はいかがでしょうか。
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