競馬番組出演者から透けて見える「競馬そんな好きじゃねーだろ」問題――青木るえか「テレビ健康診断」
あからさまに競馬に興味はありません、というゲストは減ったように思うけど、それでも、競馬に興味が無い、あるいはお仕事感が強く出ているゲストというものは存在しますね。
個人的に競馬愛に欠けるゲストといえば、プリンセス天功氏がダントツで1位です。
プリンセス天功氏は、どういったパワーバランスが働いたのか、2009年のJBCキャラクターとして起用されました。当然、JBC当日も競馬中継のゲストとして参加していたのですが、これが酷かった。ほんとに酷かった。
(ここから記憶が曖昧なので、細かい部分で間違っているかもしれません。悪しからず)
ゲスト席のプリンセス天功氏は、「私は馬が考えていることが分かる!」と誇らしげに語ります。
じゃあ今パドックを周回している馬の気持ちを教えてくれよ、と誰だって思うでしょう。私もそう思いました。
日本中の視聴者の熱い気持ちが届いたのか、司会の松岡俊道アナが、「それではパドックを周回している馬でやる気のありそうな馬を教えてください」と聞きます。当然です。
すると、プリンセス天功氏はのらりくらりと質問をかわし、飼い犬の話をはじめたのです。あなたの飼い犬の話なんてどうでもいいから、馬の気持ちを教えてくれよ!走る気満々の馬を教えてくれよ!視聴者のフラストレーションは最高潮に達します。松岡アナも手を変え品を変え、馬の気持ちを聞き出そうとするも、プリンセス天功氏は終始飼い犬の話。全然話が噛み合わない両者。
結局、馬の気持ちを一切答えることなく、パドック周回は終わってしまいました。
狐につままれた、とはこのこと。もしかしたら、プリンセス天功氏のイリュージョンだったのかもしれません。
色んなしがらみがあって、下手なことを言えなかったのかもしれませんが、それならなぜそういう人材をキャスティングしたんでしょうか。競馬番組に、競馬愛の薄い人物が来ちゃうのは、100%キャスティング側の問題だと思うのです。
ある程度競馬に理解があって、好感度も高くて、華があるような人材はそうそういませんから、どこを妥協するか、ということになった場合、往々にして妥協ポイントになるのは、競馬愛の部分だったりします。たとえライトな競馬ファンであっても、競馬愛が無くても華がある芸能人を望んでいるんでしょうかね。
そもそもキャスティング云々の前に、地上波のメインチャンネルは従来通りの番組を流して、サブチャンネルではパドックや返し馬主体の番組を流す、とか、そういう工夫があってもいいんじゃないでしょうか。
キャスティングを含め、競馬番組はそろそろ思い切った変化が必要なんじゃないかな、と思いつつ、とはいえコアなファンは、グリーンチャンネル1択なんで、地上波の競馬番組はその役割は既に終えているかもしれませんね。惰性で流しているだけで。
2021.06.01